”違う”…知ってるそんなこと。
□第10話 プール
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「お前らー!!」
「…なに」
「んだよ、テンション低いぞ一松!」
「おそ松兄さんが高いんだよ!何?休日の朝っぱらから」
「よくぞ聞いてくれた!チョロ松!実は……って、トド松は?」
「まだ寝てるよ!!!」
十四松お兄ちゃんが元気よく答える。
「えーー…よりによってトド松?マジで?」
「そう。よりによって」
はぁ〜〜…と兄たちは項垂れる。
トド松お兄ちゃん…ねぇ…。
トド松お兄ちゃんは私が起こしに行くとき実は大半すでに起きていて、私に冗談言ったりするんだけど…
今日お兄ちゃんたちを起こしに行ったときは、トド松お兄ちゃんとおそ松お兄ちゃんとカラ松お兄ちゃんは反応しなくて。
イラついた私はおそ松お兄ちゃんとカラ松お兄ちゃんのことは蹴って布団から強制的出させたて廊下に転がせておいたんだけど、トド松お兄ちゃんにはそんなことできない。
なぜかというと、トド松お兄ちゃんはものすごく、目覚め方が悪い。
というか、怖い。
あの普段の可愛さの欠片も感じないほど機嫌が悪く、"あ?"とかって低い声で言われ、さらに眠たいせいなのか睨まれて言われる。
だから完全に眠っているときのトド松お兄ちゃんには誰も起こそうとしないのだ。
「…誰か起こしに行ってこいよ」
「俺はやだからね!」
「フッ…俺も今日はボディの調子があまりよろしくない」
「俺も遠慮しとく!!!」
「…俺も無理」
「私も起こせないや…」
と、まぁ誰も起こしに行こうとしない。
「もうさ、自然にトド松が起きるの待てばよくない?」
チョロ松お兄ちゃんの意見にみんなうんうんと頷くけど
「それじゃダメなの!あいつが起きんの待ってたら今日が終わっちゃうじゃん!」
とおそ松お兄ちゃんが駄々こね始めて。
じゃあ長男が起こせや!!
「…じゃあじゃんけんにする?」
一松お兄ちゃんがそう提案してきた。
「…誰がなっても恨みっこなしだぞ」
「…おーけい、ブラザー」
「わかった!!!」
私も含めその他もうん、と頷き…
「「「「「「最初はグー!じゃんけんぽんっ!!」」」」」」
本気のじゃんけん大会が始まった。
結果は……
「よっしゃー!!俺じゃないっ!」
「天の神は俺に味方をしてくれたようだ……」
「にゃーちゃん、ありがとう!!」
「…ま、当然かな」
「やったーー!!!!」
「………」
もう、誰がなったかは一目瞭然でしょ…。
「帆乃香……」
お兄ちゃんたちの視線が一斉に私に集まる。
「…誰になっても恨みっこなし、だもんね……いいよ!行ってあげるよもう!」
私がそう言うとお兄ちゃんたちはぱぁーっと明るくなって"頑張れよ!"とかって私に言ってきた。