”違う”…知ってるそんなこと。
□第11話 スタバァ
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「………」
おかしい。
やっぱりどう考えてもおかしい気がする…。
今日はいつも通りお兄ちゃんたちを起こしてから(相変わらずトド松お兄ちゃんとおそ松お兄ちゃんとカラ松お兄ちゃんは平日は起きません)、赤塚高校に向かっている途中なんだけど…
まだ誰かつけてる…?
2、3人の気配が後ろからする。
え…こわいんだけど…。
昨日の夜から私たちの家を見張ってたってこと…?
しかも狙いは私…?
怖くて、自然と足が早まる。
と、その時…
バッ!
「きゃああ!!」
「うわっ!!」
思わず叫んで掴まれた手を振り飛ばしたら、"いったぁ…"というか弱い女の子の声が聞こえてきた。
え。
女の子……?
そこにいたのは私の友達の流香だった。
「えっ…流香!?」
「…びっくりしたぁ〜!脅かそうと思ったのに、逆に帆乃香に驚かされちゃった」
「ご、ごめん…。痛くなかった?結構強くやっちゃったと思うんだけど…」
「大丈夫!痛かったけどね!」
「本当ごめんね!!」
それから流香と一緒に学校に登校したけど、後ろからの気配はなくならなかった。
てことは、やっぱりつけられてるんだ……。
〜昼休み〜
「えっ!?誰かにつけられてる!?」
「……うん」
私は流香に、正直に昨日温泉の帰りあたりからつけられていることを話した。
「……それ、結構やばくない?家までばれてるってことだよね?」
「…うん。ヤバイと思う」
「警察に言った方が良いんじゃない…?」
「ううん。お兄ちゃんたちは気づいてないから…。私の被害妄想だったら恥ずかしいし」
「でも…ちゃんと気配するんでしょ?」
「そうなんだよね」
尾行ははっきりいって下手くそな方だと思う。
だって、素人の私でも気づくんだもん。
「えー…どうしよう。あたしさ、今日帆乃香と一緒にスタバァに行きたいなって思ってたんだけど…それだとまっすぐ家帰った方が良いよね」
「えっスタバァ?」
「うん。新作出たじゃん?メロンのやつ!食べたいなぁって思ってたんだけど…」
「それ!私も気になってた!!」
「だよね!」
…怖いけど、スタバァには行って新作飲みたいしなぁ。
「…大丈夫。私行くよ」
「え?でも…」
「明るいうちに帰れば多分大丈夫!」
「そう…?」
「うん!それに、早く食べたいじゃん?」
「…それもそうだね!」
この時の私は、本当に考えが甘かったんだ………。
お兄ちゃんたちまで巻き込むことになるとは知らずにーーーー……。