”違う”…知ってるそんなこと。

□第17話 作戦〜中編〜
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一松side

昨日のおそ松兄さん、何か様子がおかしかった。
てか、言ってる意味がわからない。
…まぁいいや。
俺は今日帆乃香と猫と遊ぶだけだし。

猫を持ち上げて帆乃香の部屋の前に立つけど、扉を開ける勇気がなくて立ち止まる。

俺なんかが、入っていいのかな…。
ゴミに心配されて帆乃香はどう思うんだろう?

そう思うと、恐怖で動くことができなかった。
俺の腕に入ってる猫がにゃぁん?と鳴いてくる。

ごめん、心配させてるよね。

俺は優しく猫の頭を撫でた。
猫はゴロゴロと喉を鳴らしながら、気持ち良さそうに目を瞑る。
と、その時扉が開いて目の前にはパジャマ姿の妹がいた。

「……っ!!!びっくりした…」

ぶるっと体を震わせて、一歩退がる妹。

やばい、今怖がらせたよね?

「あ…ご、ごめん。びっくりさせて」

「ううん、だ、大丈夫…。わ、私…トイレ行ってくる…」

「そ、そう…」

…俺、帆乃香と喋るときこんなんだったっけ??
じゃなくて!!

「帆乃香!!」

トイレに行こうとしていた帆乃香を慌てて引き止める。

「な、何?」

「あ、あのさ…帆乃香の部屋で待っててもいい?」

言って後悔した。
何今の言い方、気持ち悪…。
妹の部屋で妹のトイレを待つ兄とかどんなだよ…。

「い、いいけど…。あんまり物見ないでね」

「見ないから、大丈夫」

ほんとは見たいけど、本気で嫌がられるのはもっと嫌だから見ない。
帆乃香は頷いて、トイレへと駆けて行った。

…さて。

ゆっくりと帆乃香の部屋の扉を開ける。

…相変わらず綺麗な部屋。
なんだかんだ帆乃香は綺麗好きで、なんでもきちんとしてるんだ。
性格は少しだけ荒いけど。

俺は床にちょこんと体育座りをした。

ベッド?
そんな勇気俺にはありませんよ、無理ですよ。
座ったら欲情するし。それだけじゃなくてきっと帆乃香はゴミに寝る場所を汚されたら嫌に決まってる。あぁほんと生きててごめんなさい、だから帆乃香嫌わないで俺のこと…。


……自分で言ってて泣きたくなってきた。


「一松お兄ちゃん…」

帆乃香が、戻ってきた。

「どうしたの?一松お兄ちゃん…」

「帆乃香…猫、触る?」

「え?」

帆乃香は俺が抱き抱えていた猫に目を向けた。

「…うん、触る」

帆乃香はゆっくりと俺の隣に座って、猫の頭を撫で始めた。
猫は気持ちいいのか、にゃぉんと帆乃香の手に頭を擦り付ける。

…やばい、何この天使二人組。
鼻血でそう。

「一松お兄ちゃん?」

「あ、や…なんでもない……」

「ふぅん??」
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