”違う”…知ってるそんなこと。
□第21話 告白(HE)
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カラ松side
「どうする？これから」
トド松のこの一言に、誰も答えられない。
俺たちが帆乃香を傷つけて自業自得の結果なのだから、こういう風になって当然だと思う。
みんな気まずい顔をしている。
だが、俺には提案があった。
当たって砕けろの提案だけど…。
「…俺に一つ提案があるんだ」
俺の一言に驚いて振り返るみんな。
「何？この最悪な状況を覆す方法があんの？」
「…残念ながらチョロ松、これは100%ではないんだ。帆乃香次第だ」
「帆乃香次第？どうして？？」
十四松が首をかしげる。
みんなも、疑問に思っているみたいで、頭にハテナを浮かべていた。
そう、これは帆乃香次第ではみんな幸せになれる。
でも、その反面リスクもあって、もしかしたら松野家は崩壊するかもしれない。
「…で、その提案とやらはなんだよ？」
「まぁそう慌てるなおそ松。まず一応確認しようと思うんだが…帆乃香は俺たちに恋愛対象として見られていることを知らないよな？」
「…知らないと思う」
「知らない」
「…鈍感だから気づいてない」
「知らないと思う！」
「知らないと思うなぁ」
「…そこが重要なんだ」
「は？どういうこと？」
一松が何言ってんだみたいな顔をしてくる。
…わからないか。
「帆乃香は俺たちに突然嫌われ、突然一松とおそ松に襲われたって思っているから…深く傷つき記憶が抜けている。俺の言いたいことがわかるか？」
「…帆乃香は僕たちに嫌われてるって思ってるってこと？」
「そう、トド松のいう通り帆乃香は嫌われていると思っている。嫌われているから、避けられていたって。でも真実は逆だろう？帆乃香は俺たちに好かれていたから、避けられていた」
「…だからなんなんだよ…」
チョロ松が早く本題を言えと、呆れた顔をしてきた。
「つまりはだ…帆乃香に"俺たちは帆乃香のことを好きだ"と伝えるんだ。…もちろん、恋愛対象として」
「「「「「はぁ？？？」」」」」
兄弟の冷めた声が部屋に響き渡る。
「何言ってんの？カラ松。それ、帆乃香は言われてどう思うわけ？引くに決まってんじゃん」
「おそ松兄さんに同意だね。言ったところで帆乃香は混乱するだけだよ」
「…同じく同意。こんなクズの兄から告白されたら嫌に決まってる」
「俺も反対かなぁ！！変に帆乃香が傷ついちゃいそうなんだもん！」
「…僕も反対。帆乃香はきっと僕たちのことを嫌いだろうから…」
兄弟たちはみんな"それはない"と口々に言う。
「だがな…帆乃香のその俺たちの帆乃香への気持ちの誤解を解かないと、誰も本当の意味で幸せになれないと思うんだ」
「「「「「……」」」」」
「その誤解を解くには、嫌いじゃなくて好きだと伝えること。でも、それじゃあ何故俺たちが無視したか帆乃香はわからないままだろう？だから、恋愛対象的に見ていたことを…全てを伝えるんだ」