ミドル系ごちゃ混ぜおそ松さん

□第1話
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日常。

それは平凡で退屈でつまらないもの…だと私は思っている。


毎日学校に来て、勉強して、帰って、寝て………


なんてつまらない私の日常。

そして…私が嘘つきってことも。


「夕凪、それどうしたのよ〜」


「これぇ?幼馴染にもらったのぉ」


「可愛い〜!まさか男!?」


「まさかの男ー!彼氏じゃないけどねぇ」


「またまたぁそんなこと言っちゃってさー、ねぇ?春香」


「へ?」


「へ?じゃないよもう〜。夕凪のこのヘアピン幼馴染からもらったらしいんだけど、絶対彼氏になるよねー!」


「…そうだね!夕凪のこと好きなんじゃないっ!?」


「もー二人ともなに言ってるのぉ、ないからぁー!」


くだらない。
ほんとにくだらない。

けど、このくだらない会話に嘘をついて合わせるのが私。

合わせてしまうのが私である。


だから、私自身は、くだらない存在なのかもしれない。


「みんなーおはよう!」


「「あっ!トッティおはよー!」」


トッティ?

二人がそう呼んだ人物を見る。


…あぁ、松野トド松君のことか。

六つ子だとかっていう噂を聞いたことがある。


「何々なんのはなししてたの?」


「んーー!トッティの話だよぉ〜!」


「ほんと!?それは嬉しいな!」


キャッキャウフフしてる三人とは違い、私はその三人から少し離れた位置にいた。


松野トド松…はどうも苦手。


なんというか…計算してる?っていうのかな……

私みたいに"嘘つき"の空気がする。


キーンコーンカーン


「あっ授業始まるっ!じゃあねぇ春香、美紅、トッティ!」


「夕凪!またお昼ね〜っ♪」
「またね♪」
「うん、バイバイ」


夕凪は2組。

私とトド松君と美紅は1組。

つまり、夕凪は私たちとは別のクラス。


美紅は夕凪が自分のクラスへ戻ると同時に、自分の席へと座った。


私とトド松君は、未だ立ったまま。


…なんというか、気まずい。


「ねぇ春香ちゃん!」


「ん?何?」


「今度僕とデートしない?」


……はぁ?何を言ってるの?


「う〜ん…ちょっと今月はお金がないから厳しいかなっ」


「お金なら僕が出すから大丈夫!」


…そうきたか。

できる限り、トド松君との接触は避けたい。


トド松君だけはどうも苦手。


ほら、自分と似てる人のことは苦手ってよく言うじゃん?


「ね?どうしてもダメかな?」


上目遣いで瞳をうるうるとさせて尋ねてくるトド松君。


…あざとい。

やっぱりトド松君は…私と同じ。



「トド松君ってさぁ…………嘘つきだよね」


そう言って私は彼の横を通り過ぎて、席に着いた。


彼の顔は……見れなかった。

否、見る勇気がなかった。

怒っているのか悲しんでいるのか、それともなにも思っていなくて無表情なのか……


怖くて見れなかった。
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