雷門]

□学校祭
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美術部に入っている私は今時期が一番忙しいとおもう。野球部が終わってもまだ、あの吹奏楽部が終わってもまだ、美術部は電気がついている。ちなみに今時期というのは、学校祭時期の事だ。「はあっ…あと、30分。サッカー部はもう終わったかなぁ。」私には彼氏がいる。見た目が美人の詐欺野郎が。少し気になってドアを開けてキョロキョロあたりを見回した。右を見るとすぐ近くに、ケータイをいじる我らが誇る美人が。「風丸…もう終わったの?」「悪いかよ。ちゃんと待ってるから心配すんなよ。」返事をしないで、パタンとドアを閉めた。理由はただひとつ、風丸の向こうにいた、美術部部長がこちら…というより私を見ていたからだ。マジで最悪だよ。外から部長の声がした。耳を済ませた。「あのこ結構奥手だから気をつけなよ。」「大丈夫ですよ。こちらから仕掛けます。」とたんに自分の顔が赤くなったのを確認した。
 

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