EXO

□あまのじゃく
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さて、二週間が経過したんですけども。
これはどういうことだろう。
まあ付き合ってた男が男だし見る目無さそうとは思ってたけどなぁ。

『やっぱり忘れられない、ごめん』

あれー?いやいや、こんなはずじゃなかった。嫌がらせみたいにクリス兄さんの前でいちゃついたりのろけ話したりしてみたかったのにさ。

端的なメールを眺めてため息をつく。別に追う必要はない。去るものは追わず、だ。今何となく兄さんの勝ち誇った顔が思い浮かんでムカついた。

部屋を出たら廊下で一番会いたくない顔にうっかり会った。何でもない顔して通り過ぎれば良かったのにうっかりブリーズしてしまった、俺の馬鹿。

「あ・・・」

「・・・」

何とも言えない沈黙。
3秒が数時間に思える。

「ヨリ戻してくれって言われたけどフったから」

言うに欠いてそれか。淡々と事実をのべるだけ、そういう言い方。途端に体がカッと熱くなった。なんだか俺がむきになってる子供みたいじゃないか。

「・・・あ、そうですか」

頑張って冷静に話そうとする努力すら惨めに感じる。ああ、なんでこんなイライラするの。振り切るように足を一歩前に出して進む。悔しい。自分に腹が立ってしょうがない。

その瞬間結構な力で肩を捕まれ、壁に押し付けられる。肺の空気が一瞬抜ける。

「っ、何するんですか」

「鏡を見せてやれないのが残念た」

「は?」

俺の顔をじっと見て兄さんが言う。口の端がつり上がってるのを隠そうともしない。何なんだ、一体。負けじと睨み返す。

「嫉妬してるって顔してる」

「なに言っ・・・」

続きの言葉は飲み込まれる。完全に不意討ち、ご丁寧に頭に手まで添えて。嫌悪感を抱かない自分に戸惑う。

移ってくる体温が心地よいなんて思ってない。

「っ、はぁ、」

やっと離れた唇。目が離せなくなる。

「拒まないんだな」

「無理矢理、したのはそっちでしょ。」

「俺のことずっと気にしてたくせに?」

「なっ」

違う、気にしてない。気にくわないって言うんなら正しいかもしれないけど。・・・ちょっと待て、そもそもの発端は何?・・・俺?

「だろ?」

「・・・」

「少なくとも俺は気にしてる」

「えっ、」

あの、ちょっと!どういうこと?!
という俺の悲痛な心の叫びは自分自身のパニックにかき消される羽目になる。

つまり、俺がずーっと気にくわないって思ってたのも無駄なことしてたのも兄さんが好きだったからってわけ?
つじつまはあわなくない、俺の心情を除けば。

とうしよう、そう言われてしまえばそうとしか思えなくなってくる。どんな顔して話せばいい?

今の俺どんな顔してるんだろう。
・・・見なくても分かるか。

たぶん真っ赤だ。

*あまのじゃく

(もしかして思うつぼ?)
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