EXO

□欲求
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「俺のこと全然わかってないくせに偉そうに言わないでよ」

腕を組んでにらみつけて、吐き捨てるようにカイが言う。この年下の恋人はこうやって時々へそを曲げる。本気で言ってるというよりは彼なりの甘えなのだろうと思う。

また俺が謝って機嫌とって終わらせればいいのは分かってるけど、つけあがらせるのはいかがなものかと。すねとけばいいと思われてるみたいだし。
パターンになってきてしまってる気もする。

「何でもかんでも察しろっていうほうがおかしいじゃないか」

「そうじゃないよ。」

もういい、と言いたげにカイが目をそらす。

高慢な態度にカッと頭に血が上ったのが分かった。そのまま衝動的にカイの手首をとってそのままカイを壁と俺との間に挟むように追い込む。

「お前は俺のこと分かろうともしてくれないのに?」

カイの目が驚いたように見開かれる。そのまま少し早口でキツめの口調で追い打ちをかける。

「そもそもさぁ、何でもかんでもワガママ言えば通ると思ってるんだろ?拗れば俺が折れると思ってるんだろ?何でも許されるってたかくくってるんでしょ?」

「ちが、違うよ、ヒョン」

完全にうろたえるカイ。さっきまであんなに生意気にしてたのに、変な感じ。
俺の心に優越感が影を差す。この子こんなに幼かったっけ。弱弱しいところあったっけ。

「何が?何が違うの?言ってみなよ」

いじめるつもりも怖がらせるつもりもなかったんだけどな。

やばい、口角が上がりそう。どうして楽しんでるんだろう、俺。
ああ、ダメだ。俺ってサディストだったのかも。
必死の努力で口をまっすぐにする。

「……」

「言えないんだろ?」

ほらやっぱりそうなんだ。と言ってカイの手を離して、背を向ける。

「チャニョルヒョン、待ってよ」

懇願するような声。

「何?」

こんな困った顔見たのはいつぶりかな。
いつもそんな顔させないように、甘やかしてきたもんなぁ。

「ごめんなさい、怒らないで」
いい子にするから。
消え入りそうな声で言うカイ。

「いい子は好きだよ」

いつものように優しく言って抱き寄せる。張りつめた空気がふっと弱まる。

「わがままでごめんなさい」

ともう一度言うカイに分かってくれればいいんだよ、と背中をなでてなだめてやる。

俺ってばこういうのが好みだったのか。
だって今までにないくらいゾクゾクして止まらないんだもん。

『欲求』

(コレって支配欲ってやつだ)

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