輪っか

□第一章 火中の栗を拾う
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「ただいま。」

玄関からドアの開く音と聞きなれた低い声。
そして足音が複数。
友人でも連れてきたか…と思いながら、料理を中断して布巾で手を拭い、玄関へと向かう。

「おかえり、兄貴。」

ひょっこりと玄関のある廊下に顔を出せば、やはり。
兄貴を先頭に、変わった格好をした男性四人が立っていた。

「後ろの人達は兄貴の友達?」

「ああ、そんなとこだ。」

兄貴はあたしの問に、靴を脱ぎながら曖昧な言葉と共に頷く。

その時、後ろにいた兄貴の友人の中の二人、茶色いコートのようなものを着た強面のお兄さんと、迷彩ポンチョにフェイスペイントの軽そうなお兄さんが何か言いたそうに口を開いたが、何を思ったのか口を閉じ、互いにアイコンタクトをしてそのまま黙った。
正直聞いてみたかったが、兄が連れてくる人は大抵面倒事を抱えた人だと過去の経験から学んでいる。
なので今は無視。
必要があればいずれ話してくれるだろう。

「今晩飯作ってんだけど、友達の分も作る?」

そう問えば兄貴は少し考え込んでから、頼むと呟いた。

「んじゃ、ダイニングは人数分のスペースないから、リビングな。」

「わかった。出来たら呼んでくれ。」

短い会話を交わし、あたしはキッチンへ、兄貴達は客間である和室の方へそれぞれ向かっていった。





「………………………」










第一話 兄貴の友人……?



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