鬼徹倉庫

□虐待を受けている白澤くんとその隣人の加々知さん
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『白澤さん、どうしたんですかそんな格好をして』

薬が出来たと連絡を受け桃源郷に来てみれば、何時ものチャイナ服に白衣を羽織った衣装ではなく遠目から見ても高価だとわかる衣装を着た白澤さんがそこに居た。

『ん?ああ、3日ほど現世にね』

『その格好で、ですか…‥?』

現世に行くには派手すぎる装いだ。悪目立ちをするし、危なくはないだろうか?

『うん、ある国の王が第代わりをするんだ。だからそのお祝いにね』

『わざわざ貴方が出向くほどのことでもないでしょうに』

正直な感想と少しの嫌味を織り交ぜた言葉に吉兆の印である白澤は微笑む

『そう言うなよ、その国今色々と危機を迎えていてね。吉兆の印である僕が行けば少しは緩和されるだろう?』

まるで当然のように人に慈悲を与える白澤。いや、彼は腐っても神獣なのだから当たり前なのか…‥…‥

自分とは真反対の存在

そっと腕を伸ばし抱き寄せれば桃と漢方独特の香りが広がった

『無事に帰ってきてくださいよ』

そう言えば白澤はクスリッと笑いながら『当たり前じゃん』と言った





あれから10年。
白澤さんはまだ帰らない
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