鬼徹倉庫

□続 虐待を受けている白澤くんとその隣人の加々知さん
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お風呂から上がると新品と見られる衣服があった。其のどれもが子供用で、甥がいるのかな?と思った

「…‥これってパジャマ…‥だよ、ね…‥」

僕が見ているのはパジャマであろう衣服。パジャマっていうか…‥金魚の着ぐるみ?みたいな服なのだが上下で分かれている。
少し着るのに勇気がいる服だ

「もしかして、加々知さんって金魚が好きなのかな…‥?」

翌々思い出してみれば部屋の至るところに金魚が居たような…‥
なんだか以外の一面を知ったな

「白澤さん衣服大丈夫ですか?」

アコーディオンカーテンの外から声がする。


「あ、うん。でもなんでこんなにあるの?」

「…‥まあ、備えあれば憂いなしですよ」

そう言うとカーテンの前から気配が消える。
僕は意を決してパジャマの袖に腕を通した…‥


リビングに行くと加々知さんが救急箱を持って待っていた。
どこか怪我をしたのだろうか?そうは見えなかったのだけれど

「白澤さん、こちらに来てください」

「? はい」

ペタペタと少し小走りで加々知さんの前に立つ。

「はい、バンザーイ」

そう言われて手を上げてしまうのはある意味日本人の性だろう。そういう僕もつい手を上げてパジャマを脱がされてしまったのだ。
服の下にある痣の存在を忘れて

「あっ…‥!」

僕の体を見て眉間に皺を寄せる加々知さん。

「なんですか、これ…‥」

「え、あ、朝言ったじゃないですか…‥!階段で…‥」

「それにしては新しいアザもありますか」

「そ、それは…‥僕ドジで…‥」

顔を見れずに下を見ながら言い訳をする。心のどこかで言ってしまえというけれど言ってその後何がある?何もない。待っているのは孤独だけ…‥。なら僕は我慢する

「そうですか…‥」

加々知さんはそれ以上何も聞かずただ黙々とシップを貼ってくれた …‥…‥
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