海に眠る守り神〈TOV〉
□プロローグ・一筋の願い
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ここは、誰も知らない。誰もが、知るはずのない島――――古の神ノ島〈エンシェント・ドクラータ〉
それは特別な力を持つ者のみ、訪れることの出来る、謎を多く残した島に何者かが踏み入れた。
その者は邪悪な力を秘めた剣――――この島を滅することのできる死の秘宝を持つ、謎の男だった。
男「・・・・・・ここが、古の神ノ島か」
男はニヤリとおくそ微笑む。
男「20年だ。
この島に眠る、かの秘宝を――――この島を守り続けてきたあの精霊(女)を手に入れる為だけに、この死の秘宝の在処を探り当ててから、およそ20年・・・・・・ふ、ふふふ・・・くくく・・・・・・」
男から溢れ出る気で、ざわざわと鳥肌が立つがごとく、辺りにある木々がざわめいていた。
男「・・・・・・さあ、でてこい。この俺様が貴様を手に入れてやる・・・・・でてこいっ。双星の精霊・セレシアァァアアッ!!」
精霊1「!、急いで知らせなきゃ」
鬼気迫るかのような狂気に満ちた笑みで、島にたたずむ神殿の中へと入っていくのを、一人の精霊が真上から見ていた。
その精霊は急いで神殿の反対側に位置する森へと飛んでいった。
森の中では、流れ出る湖で祈りを捧げている精霊に声を弾ませながら話しかけていた。
精霊1「大変です、セレシア様・・・・・・ッ、早くお逃げくださいっ」
精霊2「落ち着きなさい、一体どうしたというのじゃ?」
慌てている彼女に不審を抱いた他の精霊達は彼女の話を聞いていた。
精霊1「アイツが・・・・・・ッ、人間がセレシア様を狙って・・・・・・ッ」
精霊4「!?、なんだと!?」
精霊5「そんな、まさか!!姫様を狙うだなんてっ」
セレシア「・・・・・・分かりました」
精霊3「せ、セレシア、様・・・・・・?」
彼らの話を静かに聞いていたセレシアは、一つ息をつきながら、そう言っていた。
他の精霊達は彼女の言葉にしばし驚いていた。