短編
□きっかけ
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何時ものように学校の帰り道。
今日は居残りで、なるちゃんは、先に帰ったから、私一人。
宿題忘れて、春田にコッテリ絞られて疲れた。
とぼとぼ歩いていると、
「よう。おだんご、元気無さそうだなー。また赤点か?」
「ふん!あんたには関係ないわよー!」
約束もしてないのに、やっぱり会ってしまうアイツ、ちばまもる。相変わらず嫌みなやつ!
「そんなに怒るなよ〜。そうだ!良いものやるよ!」
小さな袋を、渡された。
「えっ?何よこんなの貰えないわよ!」
「まあ、あれだ。この前の礼だよ。」
「この前のお礼?」
「病院まで、薬届けてくれたやつ。ありがとな!」
「…?あぁ、あれは…。」
ぽんぽんと、私の頭を軽く叩いて、はにかんだ笑顔のちばまもる。
ちょっとドキドキしてしまった。
「元気出せよ!!じゃあな!」
そう言うと、アイツは足早に行ってしまった。
「あっ、ちょっと待って!」
一人その場で取り残されてしまった、私。
どうしょう。あれは、
なるちゃんが、言い出したから、届けたような物なのに…
袋の中には、クッキーとウサギのマスコット。
「明日、なるちゃんに相談しよ。」
次の日、なるちゃんに昨日の事を話した。
「へぇ〜。良かったじゃない♪脈ありね、うさぎ!」
「えっ、何が脈ありよ〜!!違うわよ!単なるお礼って言ってたし。あれは、なるちゃんが、届けようって言ったから。
ホントならコレなるちゃんのじゃない。」
「何言ってるのよ。ウサギのマスコットなんてアンタしか貰う人居ないじゃない!!
それに、うさぎが、気にしてる人だから届けようって言ったのよ!」
「…?!気にしてなんか!!」
「私はアンタの親友よ♪あの人に対してうさぎ、いつもと違うから。
いい加減にみとめたら?」
「なるちゃん!!」
「ハイハイ。じゃ、クッキーは貰うから。
今度会ったらちゃんとお礼言うのよ!」
そう言うと、クッキーだけ取って、なるちゃんは帰ってしまった。
「もう〜。なるちゃんったらー。」
そんなこと、言われたら今度どんな顔してアイツに会えば良いのよ。
…っあれ?私、意識してるのかな?
もう、良くわかんないわよー。
私の頭の中には、別れ際のはにかんだ笑顔のちばまもるの顔が浮かんでしまっていた。
〜おまけ〜
そして、このあと、カーディアンが出現し、ルナに記憶を戻されてしまう、うさぎちゃんでした。
カセコレ3からのネタ。
なるちゃんは、うさぎちゃんの事をよく分かってるから、本人が気付いて無いことも分かってる感じじゃ、ないでしょうか。