短編

□揺れた心
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この前、俺が居ない間のうさこのエアメールを手にいれた。

俺が留学先で生活する筈だったアパートに届けられていて、住人が不在なため管理人が預かっていたようだった。

事後処理の連絡で留学先へ連絡した時にそれが判明しこちらに送って貰ったのだ。

うさこにはこの事は伝えていない。忘れているだろうし、辛い時を思い出して欲しくないから。

途切れなく定期的に送られて来たのが日付で分かる。宛名の英字も分かりやすく書かれていて、調べて練習したのが伝わった。

本当に、俺を思っていてくれたことに、うさこの深い愛情を感じる。

読んでいると、日常の事や学校であった事をうさこの言葉で楽しく綴られていた。

セーラチームの事や家族の他に、スリーライツの名前も度々ある。特に星野光の名前は頻回だった。

彼氏への手紙に、男の名前を書いてしまうのも、天然のうさこのなせる技だが。

学校生活や遊びに行った事を書いてあり、男女の中を疑うような内容ではない。

それでも、俺は読んでいて胸が切なくなる。
うさこは、相手に恋愛感情を抱いて無かったとしても、相手は彼女の事を想っていたのだ。

しかも、セーラームーンとしても交流があったのだから、余計に彼女にひかれたのは想像がつく。

何度かピンチの時も助けられたりしたと、聞いている。

高校生の女の子が、秘密を共有した頼りになる同世代の男に、好意を持つなと言う方が無理な話だろう。
彼氏と連絡が取れない状況で、心が揺れたのでは無いだろうか。

流石に、うさこに確かめる訳にはいかないが。

自分が居ない間に助けてくれた彼に感謝しなければならないと思うけれど、男としてやりきれない想いも抱いてしまうのも、俺の器が小さいせいか。

俺が戻って来た時も、彼のうさこを見る目が友達の其ではなかったのだから。

【これからは、あんたが守ってやれよ!】

アイツの言葉。言われなくても分かっている。
セーラームーンに成り立ての頃から、それまで俺が守って来たんだから。

前世も現世も色んな事があって、想いを遂げたのだから。 

人が居ない時の、ぽっと出の間男に持っていかれて溜まるもんか!

はあ、俺の本音はうさこには聞かせれないな。

この手紙は、俺への戒めだ。
うさこの思いの深さ。
彼女から離れてはいけない事。

其を忘れないように大切にしまっておこう。
彼女の心が揺れないように、しっかり守っていく為に…。






〜あとがき〜

私はスターズをかい摘まんで見たのですが、星野くんが男前なのと、うさぎちゃんがドキドキしてるのが、よく伝わってきました。

まもうさ至上主義で衛さんLOVEな私としては、非常に切なく感じるのですが…。

うさぎちゃんの書いたエアメールはどこに行ったか気になりましてこんな話を書いてみました。
ちょっとヘタレで、いじけモードですが、本音はこうじゃないかと思いました。

そのうち、うさぎちゃん視点で書いてみたいと思います♪

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