長編
□未来への扉 完結
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自分の役割。自分の立場。
このまま、ただ彼女のとなりで幸せな時間を過ごしてよいのだろうか。
未来を垣間見てしまった、俺たちは何もせずに居ても、あの時代へ行けるのだろうか?
否、そんな保証は何処にもない。
未来はいくらでも変わる可能性はあるのだ。
彼女は幾度もこの星を救い、銀河も助けた女神。
俺は彼女に助けられるばかりで。
守ってやりたいと言う、己の欲求は果たされる事は少ない。
反対に、操られ肉体的苦痛を彼女に与えた事もある。また彼女の為を思いながらも、言葉で傷つけた事もある。
彼女にとって俺は必要なのか。
戦士.騎士としての力の無い俺に、彼女の隣に居る資格があるのだろうか。
自問自答し、答えはでない。
けれど、彼女はこんな俺を必要だと言ってくれる。俺の存在意義を見いだしてくれる。
ならば、彼女の期待に応えるために、今の自分に出来ることをしなければ。
戦士ではない君を、守っていけるだけの知識と力を身に付けるために努力する事。
留学もその為に必要だから決めたんだ。
けれど、その志を敵の襲撃により断たれてしまった。
彼女の懸命な活躍で、また俺は救われたのだけれど…。
再びこの大地に、彼女の元に戻って来れた安堵感はあるが、自分の力不足を痛感させられた今回の戦い。焦燥感に苛まれながら、俺は束の間の平和な日常を過ごしていた。
俺自身の力を獲るための試練が待ち構えているのを知るよしもなく…。