長編

□影の記憶
1ページ/13ページ

「あんたなんか大嫌い。もう私に構わないで!」

美奈子は公園の近くを歩いていて驚いた。その声は彼女の親友かつ至高の存在である少女の声だった。今まで彼女がらそんな言葉づかい事態を聞いたことがない。
美奈子は慌てて公園の中に入っていった。そして衝撃的な現場を見てしまった。

「うさこ。戻ってきてくれ。」

「嫌よ。あたし自由に生きたいの。だから戻らないわ。それにその呼び方もやめてよ。」

「だって君は、『うさこ』じゃないか。」

「それはあんたが、勝手に呼んでるだけじゃない。あたしの名前は『うさぎ』よ。」

これは修羅場だ!!と美奈子は焦っていた。今出て行ったって自分にはどうすることもできない。

(衛さん、何しでかしたんだろう?うさぎちゃんがあんなに怒るなんて珍しい。)

恋人同士の修羅場に出くわしてしまい気まずいが、その一方で人の情事の縺れを出刃亀したいのも人間の心理である。美奈子はひっそりと草陰に隠れ見守ることにした。

「俺はどうすれば良い?」

「そうね、せいぜいあの子の御守りでもすれば?じゃあ、もうあたしの前に姿を見せないでね。」

じゃあ、とうさぎはその場から立ち去ってしまった。衛の表情は険しく、近寄りがたい雰囲気があった。

(うわ〜!!これは一大事だわ!とにかく皆に連絡ね。それにしても衛さん…あの子って、浮気なのかしら。)

通信機を片手に、衛を見ると既にそこに居なかった。

(もう、原因聞き出そうと思ったのに!ま、明日うさぎちゃんから直接聞こう。)

その時美奈子は、いつもの痴話げんか程度にしか思っていなかった。
まさか、その時もう事件が起きていたなんで考えもしなかった。







〜あとがき〜

久しぶりに長編に挑戦してみようかと思います。

で、いきなり修羅場です。ラブラブになってから二人が喧嘩なんてありえませんよねぇ。

既に、何かが起こっています。
いったいどうなってしまうのでしょうか?

オリジナルキャラクターも登場予定です。遅々更新ですがお付き合いください。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ