long story:日常in非日常

□1時限目
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―――朝


『ひーまーだー』

「…」

『暇だー暇だー
どれくらい暇かって言うとすっごい暇だー』

「……」

『喧嘩してーっていうか運動してぇ』

「………」


さっきからさんざん無視してくる男、もとい、藤 桜二郎の背にもたれかかり体を揺すってみる。

…反応なしか


別に何か答えを求めての発言ではないとはいえ無視は悲しい。

うーん、もうひと頑張りかな

『あー遊びたいぃぃぃぃいいい』

「うっせぇぇぇぇぇええええ」


よし!きた!

でも胸ぐら掴まれるのは苦しい。

『お、おお!やっと、反応してくれたか!』

「『やっと、反応してくれたか』っじゃねぇよ!さっきから人の耳元でぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー騒ぎやがって、遊びてぇならどっかいけ!」

うーん。正論

でもこっちにもこっちの言い分があるわけで、言われっぱなしというのも気に食わない。

『おちつけって!いやさ?だって暇じゃん?面白い事無いじゃん?お前で遊んでみるじゃん?反応ないじゃん?叫ぶじゃん。どう?』

どうよこの言い分!

目の前では深いため息をつきながら呆れた目でこちらを見る桜二郎。

やめろよ、その目。惨めになんだろ!


「はいはい。で、柚葵、お前は何したいわけ?」

『お前のそーゆーとこすき!』


そう。なんだかんだで最初から構ってくれる気でいるんだ。

そんなに粘る気もないなら最初から返事してくれりゃーいいのに。

非常に自己中な思いはあるがそれはおいておいて、さて、どーしよーか。

特にしたいことがないから暇なのであって、そこで何がしたいと聞かれても答えなどある筈がない。


『うーん、なにしよっかなー』

あーだめ!思いつかない!

『ねーねー、桜二郎は何かしたいことねぇの?』

「あ?俺?」

『そーそー、いっつも俺が決めてるからさ、たまには桜二郎が決めてよ』
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