long story:日常in非日常

□4時限目
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桜二郎の告白に応えた後、俺たちは無言で抱き合っていたりする。



…いい加減気まずいんだけど…


桜二郎は依然俺の肩に顔を埋めたまま動かないし、こっちとしてもそろそろこの体制がきつくなってきた。



『なあ、ちょっと、そろそろ教室戻らねーと』

「ん」

『いや、ん、じゃなくって…』

「……い」

『んあ?』

「…たい」

『は?何?』

「ヤりたい」

『やりたいって、何を?』

「何って、ナニだよ」





……は?え?いきなりどーした?

埋めていた顔を上げ今度は肩に顎を置いた桜二郎が意味のわからんことを言い出した。



「付き合ってまずやることっつったらひとつしかねーだろーが」

『いやいやいや、おかしいじゃん。付き合ったって言ってもまだ5分間くらいじゃん?展開早すぎんだろ!』

「遅かれ早かれヤるんだったら今でも問題ねーよ」

『あるある!おおあり!え?てか、遅かれ早かれヤんの?それはもう決定事項なの!?』

「は?当たり前だろ。男子高校生の性欲なめんなよ」



い、い、い、意味わからん!!!
やるってあれだろ?アレのことだろ?

アレをアレにああする…



『無理無理無理!!てか男同士じゃん!根本から無理じゃん!』

「それが無理じゃねーんだなこれが。男同士でもできちゃったりするんですよ。これぞ人類の神秘」

『神秘でも何でもねーよ!!無理だろ!?』

「だーから無理じゃねーんだって。あるだろ、お前にも」

『あるって、何が…?』

「穴」


ハイ。ありますとも。

でもね、俺の穴はそんなことするために作られてねーよ!

あれ出すための穴だから。入れる用にある穴じゃないから。

って…


『ちょ、ちょっと待て!これ俺が入れられる感じになってね?』

「は?そうだけど。
 何?お前俺に入れたいの?」

『いや、それは無理!』

「だろ?じゃ、俺が入れるしかねーじゃん」

『いや、だからさ、そもそもヤらないって選択肢は…』

「ねえよ。おまっ、ふざけんなよ!?どんっっっだけ俺が心待ちにしてたと思ってんだ!毎晩毎晩右手と親友になるほど妄想しまくってたんだぞ!!それでやっと実物抱けると思ったらお預けとか…俺も俺の息子も大爆発すんぞ!いろんな意味で!」

『おいぃぃぃぃい!!何勢いに任せて盛大なカミングアウトしちゃってんのぉぉお!?知らないよお前の夜の事情とか!てか、知りたくもねー!しかも俺のこと使ってたの!?なにそれ!?怒り通り越して恥ずかしいわ!!』

「あたりまえだろ。つーか、俺もうお前以外で抜けないし」

「なっ!!」


どきっ!………




ってすんな俺のばかやろぉぉぉお!!!!

そういうセリフじゃないから今の!ただの変態宣言だから!
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