柊
□1.5
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そのころ、大阪城。
「・・・少し遅かったか?」
「なまえ君ならお父上と一緒に帰ったよ、家康君」
「半兵衛殿か。いや、久しぶりに会うから驚かせてやりたかったんだがな」
「明日から、彼女を豊臣に迎えることになったよ」
突然、遮るように半兵衛が言った。
「なまえを!?みょうじ殿が許したのか!?」
「もちろんさ。彼女には僕の戦術のすべてを教え込む」
「・・・・・・・」
それでいいのだろうか。
半兵衛殿も、なまえも。
―・・・半兵衛殿は、何を焦っている?
もう話すことはない、と言う様に半兵衛は部屋を出て行った。