迷いうさぎと箱庭

□白と赤
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第1話






両親が海外に就職することになって、私もついてくるかと両親に誘われた。

けれど、外国で生活するのは今の私には難しくて日本の残ることにした。

母親の親戚で、何人か子供を引き取っている家があるらしい。

1人よりは寂しく無いだろうという、母親の気遣いだ。

手に渡された地図を見ながら、ボストンバックを肩にかけ見慣れない町を歩き続ける。

「うーん………困ったなぁ。ここで住宅街終わっちゃうんだけど……。」

地図ではもう少しさきみたいだけど、住宅街を超えるとそこは山道……。

(まさか、山の中にあるの?)

「はぁ………。」

重いため息をついて、自分の体にムチを打ち山道へと入って行く。

















「……ぁ、暑い………。」

今の季節は夏……。

いくら山道といえど、ずっと歩いていると汗が次から次へと出てくる。

「つ……疲れた………。」

足を止めてふいに右を見ると、町全体が見渡せた。

空は青く澄み渡り、町の向こうには海が広がっている。

都会からはかけ離れた、穏やかな風景だ。

さぁっと風邪が吹き抜け、疲れも少しなくなった様に思えた。

「よし!行きますか!」

ボストンバックを肩にかけなおし再び進む。

長い長い坂道をやっとの事で登り切ったところに、それはあった。

赤い煉瓦と白い木製の2階建ての家が2つ建てられ。

庭は綺麗に整備され。

色とりどりの花が咲き誇っている。


「きれー……。」

2つの家の間には大きくて広いベランダが設置され、ベランダの上にはグリーンカーテンと言う植物の日除けが設置され、程よい木漏れ日が気持ちよさそうで、ちゃんとテーブルとイスも用意されてあり、テーブルの上にはみずみずしい色素の薄いピンクと青と白の花が添えられていた。

(ここで……生活していくんだ。)

淡い期待を胸に白い家のインターホンを鳴らした。






















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