POIZUNN × HUNTER

□船旅
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〜大海原〜

『ギンギラギンにさりげなくぅ〜、
さりげなくぅ〜、生きるだけさ!!』

私は甲板の手すりに座って、かなり上機嫌で「ギンギラギンにさりげなく」を熱唱している。

団に入ってから初めての船旅で

私のテンションは太陽よりも

ギンギラギンに輝いている。

「ハンターさん、とっても楽しそうですね〜。」

お嬢が日傘を片手に近づいてくる。

『エヘヘ。みなさんとの船旅ですから。そりゃーテンション上がりますよ!!』

「ハンターさんがいると、賑やかになって私もとっても楽しいですよ!」

お嬢はちょっと苦労しながら手すりに上り、私の隣に腰かけた。

『う、嬉しいような恥ずかしいような……。』

自分でも自分のうるささは

自覚してるから、そういうことを

言ってもらえると嬉しい。

『迷惑がかからないような賑やかさで今後も頑張ります!!』

「フフッ。迷惑がかからないような賑やかさって何ですか〜。誰も迷惑だなんて思ってませんよ〜!」

『アハハッ。みなさん心が広いですね。
まるで…』

「まるでこの大海原のように!」

私のセリフをお嬢が先回りして

口にする。

『あ〜!もう、ちょっと!
それは私が言おうとしてたことですよ!!』

「エヘヘ。悔しかったらここまでおいで〜。です!」

いつの間にかお嬢は手すりから降りて食堂に向けて駆け出していた。

「どっちが早く食堂まで行けるか競争です。負けた方はデザート抜きで!!」

走りながら説明するお嬢の背中は

すでに見えなくなりかけていた。

『え!? ずるい!』

デザート抜きはさすがに勘弁だ。

『 待ってよ〜!マンゴープリンは私のものなんだから! 』

私がお嬢を追って船の中に入ろうとした

その時だった。



雲行きが怪しくなり、大粒の雨が降り出したのは。
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