POIZUNN × HUNTER
□準備はOK?
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〜 ナグリ村〜
「おーい!!皆、準備はいいか〜?」
ここはナグリ村。
一年中マグマが流れる地底にある村だ。
ここに私達「我らの団」は半年間の滞在をしている。
そして今日は新しい目的地、
「シナト村」へ向けて出発する日。
シナト村へは船でしか行けないらしく、
土竜族の職人さんに船を造ってもらっていた。
その船が今日、完成したのだ。
『団長!私は全然OKなんですが…。お嬢の姿が見当たりません!』
「お嬢のことだ、またどっかで生き埋めになってるんだろう。悪いが 涼香、ちょっと見てきてやってくれないか? 」
生き埋めだなんて、そんな。
『はーい!いってきまーす!』
我らの団の団長さんは、いつもワイルドで気さくな人だ。
ちょっと訳アリで1人ぼっちだった私を団に引き入れてくれた。
団の皆もとても素敵な人達ばかりで
この団にこれて良かったと思っている。
本当に感謝していますよ!
団長さんっ。
面と向かっては恥ずかくてなかなか言えないけどねっ!
はてさて、お嬢を探すこと早10分。
なかなかお嬢は見つからない。
『おじょー!どこにいるのー!もう出発するよー!』
もう、本当にどこ行ったんだろ?
まさか本当に生き埋めになってるとか?
むむっ。
あながちないことではないかもしれないぞ。
私が1人悶々としていると、前方にモゾモゾ動く本の山を発見!
もしや……。
『お嬢、もしかしてそこにいるの?』
私が呼びかけると、それに答えるように山がまたモゾモゾと動く。
どうやら埋っているのは間違いないらしい。
『ちょっと待ってて!今助けるから!』
助けるとは言ったものの、結構な量の本が山積みになってるわけで。
私だけでやってたら日が暮れちゃうわけで。
ヘタしたらお嬢が窒息しちゃうわけで。
『やっぱり皆の力も借りなきゃな……。』
結局、団員だけでなく
村の人も集まっての救出劇になったのは
ここだけの話。
(お嬢はもちろん生きてたよ!!)