POIZUNN × HUNTER
□船旅
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『え?なんで急に雨なんか…。』
さっきまで鮮やかな青色が
広がっていた空には、黒い雲がベッタリと張り付いていた。
遠くでは雷鳴が轟き、船には大粒の雨が叩き付けている。
さっきと比べて、風が出てきているようだ。
「これはマズイな…。」
『団長!』
いつの間にか隣に来ていた団長が
眉間にシワを寄せる。
「急に嵐になりやがった。ただの嵐か、あるいはヤツが現れる前触れか…。」
『ヤツ 、というのはもしや?』
「ああ。大洋の支配者とも言われている圧倒的な力。その強大な力に敵う水中生物はいないとか。」
前方の海面がボコボコと浮き上がる。
「青いウロコに包まれた美しき海竜。」
雷鳴は近くなり、稲妻が走る。
「それが ラギアクルス って訳さ。」
瞬間、
黒い海から一頭の黒い竜が現れた。
稲光に照らされて光り輝くその姿は
見惚れるほどに美しかった。