ハイキュー!!

□歪み
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俺と及川は高校3年生の時から付き合っている。及川が告白して俺が了承した形だ。大学も及川が入ろうとしていた学校に俺が合わせて頑張った結果無事一緒に入ることができた。とても上手く行っていると思っていた。ラブラブだって、そう思っていた。
だがそれは違った。及川は浮気をしていた。
初めはなんとなく何かが違う気がする、そんな小さな違和感だった。それは、例えばいつもならセックスのときにゆっくりネチネチと嫌になるくらい体を弄り回されてたのが段々と短くなってきたとか、セックスの回数、というかそもそも会う回数が減ってきていた、とかそんなもの。だからか俺はあまり気にしなかった。でも前までは一週間に1回は最低でも会っていたのに、1ヶ月も2ヶ月も会わない日が続いた時には流石に不安になって、なんでなのかと聞いた。そしたら、スガちゃんに寂しい思いをさせちゃったね!今日は思う存分可愛がってあげる!とセックスになり、理由を話してはくれなかった。ここら辺から浮気を疑いだした。でも、及川がそんなことをするはずないって、そう信じていた。

そんなある日、街に散歩に出たら、及川が、知らない女の子と、楽しそうに、歩いていて、キスをしていた。
ああ、終わった。そう思った。
後日、そのことを及川に問い詰めると、

「スガちゃんがそんなこと言うとは思わなかった。そう言う重いのヤなんだけど。大体さ、なんで俺がスガちゃんと付き合ってたかわかる?スガちゃんってさ男でしょ?いくらヤっても子供はできないし、慰謝料請求とかないし、つまりはさ、体の良い性欲処理だよ。それもわかんなかったの?てかスガちゃんと付き合うメリットってそれしかなくない?」

と、笑われた。それ以来及川とは会ってない。でもその言葉が思いの外、心に突き刺さっていたらしく、その日から俺はリストカットをしてご飯も食べない、そんな日が続いた。幸い、今が秋だったおかげで腕を隠すために、長袖を着ていても誰にも怪しまれることはなかった。だから学校には休まずに行った。ご飯に関しては別に吐いてしまうとかそんなんじゃなかった。ただただめんどくさかった。
段々と生きること、それ自体がめんどくさくなり、しまいには死にたくなっていた。
そんなこんなで今日、独りで泣いていたらふと大地の顔が浮かび、気づいた時には「死にたい」と送っていた。でもすぐに「ごめんwww冗談www忘れてwww」と送った。大地は既読だけ着けていた。
ああ。もう。めんどくさい。死んでしまおうか。そう思いながら今日も俺はリストカットをする。
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