教皇ハビ様

□ジャミール
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「ここがジャミールか…
思ったより綺麗な場所だな…」
ハービンジャーが辺りを見回し
「もっと渓谷と言うか…断崖絶壁とか想像してたのに…」
「正確に言えば、私が一番大好きな場所なのだ」
花畑でラキが笑う
「花畑が大好きだなんて…偉そうにしてても
少女丸出しなガキだなラキ!」
「ハービンジャーは花の美しさも分からないのか?」
「キレイとかそう言う話はしてねぇんだよ!」
オデコをくっ付けて、今にも喧嘩をしそうな二人…
「ラキ…どうぞ」
いつの間に作ったのか、ラキの頭にキキが花冠を乗せる
「うわぁ…キキ様ありがとうなのだ!」
顔を輝かしてラキは走り出す。
「君も…いい加減にしないと同じモノを頭にのせるよ?」
手にはもう一つ花の輪が…
「ああ?
身長的に無理だろ」
ハービンジャーが笑い飛ばす
「そうでもないさ
私もラキ同様、サイコキネシスがあるからね」
言い終わらないうちに、花輪がハービンジャーの頭上に現れる
「おおっ?!」
ハービンジャーがキャッチする
「脅かすなよ…キキ!
…ったく!間違えて技かましちまったらどうすんだよ!」
キキに花輪を突っ返す
「折角君の髪に映えそうな花いろを選んだんだが…気に入らなかったようだ
ね」
「どう考えても似合わないだろ…」
呆れ顔のハービンジャー
少し離れた場所でラキは花を編んでいるようだ
時々舞遊ぶ蝶に目を輝かせながら移動していく
「まだお前のが似合うと思うぜ…
遠巻きにみたら、お前たち親子だしな」
ハービンジャーがちゃかして言う
「それなら、私と君とは夫婦なのかな…」
「はぁ?何でお前と夫婦になきゃいけないんだよ!」「声が大きいよ、ハービンジャー
…ラキに聞こえてしまうじゃないか」
そうっとキキがハービンジャーの腕に触れてくる
書庫での事が脳裏をよぎり脈が少し速くなる
「…遊んでないで早いとこお前ん家?行こうぜ」
「いや…暫くは出歩かない予定だからね
もう少しゆっくりしていこう…」
キキが腰をおろす。
「ラキにももう少し遊んで良いと伝えておくよ」
「便利だよな…離れてても会話が出来るなんて」
「そうでもないよ…
対面で話すか話さないか程度の違いしかないからね」
「…でも騒がしい中でも指示出来るだろ?
直接伝わるんだから…」
「まぁ確かに…」
手を降って走り出すラキ
もう少し遠くまで行くらしい
「対象を個人に限定して思念を送れば…」
視線はラキのまま
「!」
何故かハービンジャーが赤くな
る…
「言いにくい事も伝えやすいかもしれないね」
笑いながら見上げてくる
「絶対ズルいって…」
ハービンジャーも座りこむ
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