教皇ハビ様

□ジャミール
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日が傾き影が延び始めた
「帰ったら皆の服を洗ってもらうよ…ハービンジャー」
髪をほどき、ずぶ濡れの服を絞りながらキキはハービンジャーを見上げた
「何で俺が…」
「言い出しっぺは君じゃないか…
遊んだあとの片付けは必須だよ」
「ちっ…分かったよ!」
「それじゃ帰ろうか…」
ラキの手をとると歩き始めた。
花畑を過ぎ、少し行くと岩影に何かがみえた…
「なぁキキ…あれフドウに似てないか?」
ハービンジャーが声を掛ける
「どれがだい?」
視線の方をキキも見る
「ああ…」
ハービンジャーが見たモノをキキも見つけたようだ
「ここは仏師が多かったからね…石仏なら至るところにあるはずだよ」
「フドウは不動明王の化身なのだろう?
ならば似ていて当然だ…
ただ…風化しているからよくわからないが…もし大日如来をかたどったものであれば、確かに君がフドウに似ていると感じるのも間違いではないだろうろね…」
「はぁ?」
「大日如来が人間の悪心を調伏するために忿怒の姿をして現れたのが不動明王であり
その教えを護るよう力づくで導く大日如来の教令転身なのだ」
ラキも加わった
「…ってことは…その大日如来の転身の化身がフドウって…
ややこしい奴だな
、あいつは」
「まぁ…代々乙女座バルゴには神や宇宙真理に近い者が選ばれるからね…
多少のややこしさはあるだろう」
「ふーん…」
理解したかしないのか…する気が有るのかないのか…
ハービンジャーは気のない返事をした…
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