教皇ハビ様

□ユナの星読み
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「凄げぇ星の数だよな…」
ハービンジャーが空を仰いで言った
「蒼摩が昔ね…
此だけの数の星…皆それぞれが違うから星読みが出来るんだよなって…言ったの
だけど、星の相性だけでなく、人には人として道を開く力があるって…
その時は…実は少し…私、彼をバカにしてたわ…
総ては星回りで決まってると信じていたから…
だけど…パラサイトと闘って、ようやく蒼摩の言ってた事が分かったわ…
星は予兆であって、今現在において、一番有力な可能性を示しているだけなんだって最近はおもうの
だから、良いほうに流れを運ぶ為の可能性として、この頃は星を見るの」
「ふーん
まぁそうだろうなぁ
…インテグラも言ってたぜ…
姉を殺す未来しか、自分には見つけられなかったのに、蓋を開けてみたら…最期に協力してくれた姉が居たって」
「そうよね…
貴方が光牙以外は邪魔だと、私達をとばさなければ…
皆貴方に粉々にされてた筈だもの…開けてみないとわからないわ」
「ああ…俺だって、ひょっとしたらパラドクスみたいに刻衣着てたかもしれねぇもんな…
サジタリアスや光牙と闘うために」
「…貴方が言うと洒落にならないわ…」
ユナがため息をつく
「今でもどうして‘ハービンジ
ャー’がこっちなんだろうって…思うもの」
言ってから
しまった!と思ったのだろう
ユナは口を押さえた
「だよな!俺だってそう思うぜ」
ハービンジャーがユナを見る
怒った様子はまったくない
「むしろ、俺の教皇を認めてる奴等の方がオカシイって!
ユナの考えの方が普通ってかマトモだろ」
「…どうして貴方はこっち側にしたの?
聖闘士してたら光牙とは闘えないでしょ…規則上は…」
「…何でだろうな
聖闘士でいる方が面白そうだったからかな…
あの時点では聖闘士でいる方が闘えたからだろうな」
「最低ね…」
ユナの言葉に肩をすくめ
「あと、キキがいたからかな?」
と付け足す。
「修復後の聖衣って軽くて力強いだろ?
自分の小宇宙も大きく感じるもんなぁ…
タイタンに壊されたのを直してもらって思ったんだが…」
「?」
理解出来ないといった表情のユナを見下ろして
「お前は作業後のキキの小宇宙を
落ち着いて感じた事はあるか?」
ドキリとする
「聖衣って恐いよな…修復師のコスモ食ってる様なもんだもんなぁ
命守るもんを、命がけで直してんだよ…
昔は血液を媒体にコスモを聖衣に流してたらしいしな…
そりゃあ減るだろ!修復できるやつ!」
ハービン
ジャーは続ける
「小宇宙の質?は別にして、俺の宮を後にした光牙よりも遥かに疲労してたぜ?キキのやつ」
「…そんな…」
「結構無茶な直し方したんだろうなぁ時間無かったし
量があっても、脱いだ聖衣と砂を使ってた今回の方が元気そうだったぜ?」
確かに聖衣を纏っての修復はきつかった
同様の負荷であれ修復師にかかっていたとしたら?
それが5人分というだけでもキツいだろう…
まして、あの聖衣の輝きがキキのコスモから分けられたものであるのなら…
ユナの背に冷たいものがはしる
「なぁんかさ…
手伝ってやりたくなっちまったんだよな」
「…」
「ただ単に骨がありそうだと思っただけかも知れねぇけどよ」
ハービンジャーが笑い飛ばす
「アテナ様も他の黄金聖闘士様も…人選、どうかしてるかと思ってたのに…」
ユナは真っ直ぐハービンジャーを見て
「前言撤回するわ…
どうして貴方が教皇なのか分かった気がするの」
そう言うと膝を折り頭を下げた
「何やってんだ?ユナ」
「教皇様…数々の無礼お詫び致します
…アクイラのユナ、改めてハービンジャー様の星読み…手伝わせて頂きます!」
そう言って顔を上げた。
納得しての手伝い…
決意に似た色が瞳にある

だから…優等生は嫌いだ」
教皇はがっくりと肩を落とした
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