混ぜ山羊

□聖剣
1ページ/5ページ

エルシド…
シジフォスが声を掛けてきた。
ああ…今いく。
エルシドはシジフォスの寝室に呼ばれる事がある。
用件は至って簡単なものだ。
寝室に入るとエルシドは衣服を全て脱ぎ捨てベッドにいるシジフォスに身体をあずけた。
悪いな…
いや…かまわない。
鋭き剣を目指す己が時折シジフォスの鞘になるだけの話だ。
それでシジフォスの自責が安らぐのであれば、達した後のはにかむ顔が見られるのであれば何の問題があると言うのだろう。
どんな時であれ己は精神を研ぎ澄ましていれば良いのだ。
だが…何故対して反応もない不感とも言える俺をシジフォスは選んだのであろう。
解らんな…
自分の声にエルシドは驚いた。
シジフォスもまた眼を丸くしている。
彼が最中に声をだすことなど無いからだ。
すまない、シジフォス…邪魔をした。
申し訳ないと顔を曇らせるエルシドにシジフォスは口付けをした。

身体を重ねはするが、口付けなどされた事はない。
愕然とこちらを見つめる顔にシジフォスは肩を竦めて身を離した。
今日はもうよそう。
しかし…
二の句は何であろうか?服に手を伸ばすシジフォスの腕をエルシドは掴んだまま固まった。
このまま帰る訳にはいかないという思
いだけがそこにあった。言葉は出ずとも行動を起こせば良いだけなのだ。
掴んだ腕を離すとエルシドはシジフォスの肩を抱いた。ただ、何時ものように肌を重ね、この身の内に休息を得てほしいとだけ願って…唇に触れる。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ