短編

□甘い甘えたさん
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自分の周りには甘いお菓子だらけ
自分の服はキャンディを使った甘めな服

自分の隣には

幸せそうに笑う甘い奴




甘い甘えたさん




「全てこの甘党の為」



そう呟くのは、ペロペロキャンディを片手に持った女性

大人びた顔立ちに似合わない甘めの服とペロペロキャンディ

もう嫌だ。とぶつぶつ言う彼女の隣でニヤニヤしながらお菓子を頬張るのは、甘いお菓子が大好きな変出者と呼ばれるレムレス



「サクラ、可愛いね」


「…私に可愛いは、似合わない」



サクラと呼ばれた彼女は小さく、ため息をついた
そしてレムレスの頬をつねる



「痛い痛い」


「本当にあんたは甘いのが好きだね」


「それが力の源だからね」



あははと笑うレムレスをジッと見つめ彼の過去を思い出す



「そういえば前に甘い物を食べるの我慢して、どんぐりガエルを食べそうになったらしいね
何だっけ?あめ玉に見えたんだっけ?」


「うん…。いや、だってあんなに丸々しててみずみずしい緑色をしてるんだよ?
そりゃあ、メロン味のおーきなあめ玉にも見えるよ」


「見ようと思っても見えないんだけど?」


「……うん。わかってる
あれは僕自身、おかしかったんだ…」



ふぅ。と一息吐きサクラの持つペロペロキャンディを舐める



「あの時、サクラはいないしあまーいお菓子は食べれなかったし散々だったよ」


「私は別にいなくてもいいじゃない」



サクラが呆れたように言うとレムレスが彼女をぎゅっと抱き締めた



「僕には、あまーいお菓子も大事だけど…」


「けど…?」


「お菓子よりも甘いあまーい君が一番大事」


「バカだなぁ」


「サクラにだけだよ」



額と額をコツンとくっつけさせ微笑むレムレス

桜色に染まるサクラの頬を見ては、彼女を食べたい衝動におかされる


でも今は我慢。


ちゅっと可愛らしいキスをして彼はまたペロペロキャンディを舐める

胸がドキドキとうるさいサクラは小さく呟いた



「本当に、甘い奴」





end.
 

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