短編
□ちょうちょ
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シグが指を指した方向を見てみると、大きな大きな花畑
「わ…、すごいっ」
色とりどりな花畑
サクラが小さな頃から夢見てた大きな花畑
「ここには、ムシがいっぱいなんだー」
「……ムシを見せたかったの?」
「ううん。花を見せたかった
サクラ、花が好きだから」
そう話すシグの目線にはサクラではなく、ひらひらと飛ぶ蝶々
「ありがとう。シグ」
シグの頬にお礼のキスを残し、サクラは花畑にいる蝶々を追いかける
そんな彼女をぼーっと見つめるシグの頬は少しだけ赤みを帯びていた
end.