短い夢物語

□眠り姫
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クディッチの試合三日前

どの寮の生徒もクディッチを楽しみに待っていた

試合に出る選手達は休む間もなく練習
試合に出ない観客...生徒は選手達の真似をしたり、箒に乗って飛んだりしている

そんなお祭り状態の中、スリザリン寮の談話室で一人の少女...
コハクは本を読んでいた

?『あいつらの様にはしゃがないのか?』

コハクの背後に立っている青年は言った


コハク『トム...
いたなら、声かけてよ』

トムと呼ばれた青年...トム・マルヴォーロ・リドル
黒髪に血のように赤い瞳に整った綺麗な顔
成績優秀で監督生にもなった事がある
その話は今から50年位前の話になる
今は闇の帝王ヴォルデモートと呼ばれている

リドル『さっきから呼んでいたが本に夢中で気付かれなかったからな』

コハク『そうだったの?
ごめんなさい...』

しゅんとして謝るとリドルは琥珀の頭を撫でる

リドル『そんな顔をするな』

コハク『うん』

リドル『良い子だ』

そう言うとリドルはコハクの額にキスをした

それと同時に寮に誰かが戻ってきた

?『コハク、ここにいたのか』

コハク『ドラコ、おかえりなさい
私はずっとここにいたよ』

談話室に入ってきて、すぐに話しかけてきたのはドラコ・マルフォイ
名家マルフォイ家の息子だ

ドラコ『勉強を頑張るのはいいが、少しは休まないと体に良くないぞ』

コハク『そうね
そろそろ休憩しようかな
おいで、トム』

コハクが呼ぶと一匹の黒猫が足の上に乗った
この黒猫はただの黒猫ではない
ヴォルデモート卿の分身...先程までいたトム・リドルである
この事はコハクとドラコの父ルシウス・マルフォイ以外知らない

ドラコ『自室に戻るのか?』

コハク『ううん、ちょっと湖の方に行ってくるよ
夕食までには戻るから』

ドラコ『わかった
気を付けて行くんだよ』

コハク『わかってるよ
それに何かあってもトムが助けてくれるから』

おちゃめっぽく言ってみた
抱っこされているリドルは当たり前だと言わんばかりにマルフォイを見つめていた

赤い瞳に見つめられていたマルフォイは何を悟ったのか冷や汗をかいていた
おそらく、リドルの威圧に背筋が凍りかけたからであろう

そんなマルフォイを背にしてコハクは湖のいつもの場所に向かった
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