烏野の旦那さん

□同じ寝顔
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夜の8時過ぎ

「ただいまー」

大好きな人のただいまの声を聞く。

「おかえりー!!!父さん!」
「大輝、ただいま。」

愛しい子のおかえりの声がただいまに返る

「ただいま、翼」
『おかえり大地』

私のおかえりの言葉と同時に大地が抱きしめるのはもう習慣だ。


私がこの、澤村大地と結婚したあの日からもう5年。
バレー部のみんなに祝福され大切な宝物も出来た。

「お、今日は肉じゃがか。翼の作る肉じゃがは美味いからな」
『今温めてるからもう少し待っててね』

こんな、何気ない会話さえ愛しい。

「父さん!一緒に風呂入ろう!!」
「なんだ、大輝まだ入ってなかったのか?」

キッチンの向こうでネクタイを外しながら足元にしがみつく大輝の頭を撫でながら微笑む大地。

横顔が似てきたきたなと、子供の成長を日々喜ぶ。

『お父さんが帰ってくるの待ってたんだよねー、大輝は』
「おう!だから一緒に入ろーよ!父さん!!」
「わかった、わかった。まだスーツ脱いでないだろ?それに父さんまだご飯食べてないから、それからな」

ポンポンと大輝の頭を撫でると大輝は飛んで喜ぶ。

「やった〜!」

『ふふっ、大はしゃぎだな〜。』


そんな光景、一つ一つ、一瞬が愛おしくてたまらない。
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