短編
□123恋が始まる
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学校の帰り道、今日こそはと心に決める。
”片思い”は今日でおしまい、君の笑顔を1人占めしたいんだ。
誰かに伝えたら壊れてしまいそうな思い、キミは多分私の思いに気づいてないよね。
でも私はもう”友達”じゃ嫌なんだ。
不意にキミは振り返って、「どうしたの?」」って笑う。
私は慌てて「なんでもない」って首を振ったんだけど。
でもね、決めたんだ。打ち明けないと始まらない。
ゆっくりと時間が流れる。
「敦子、あのね…。」
言葉に詰まる、顔が赤く染まるのが分かる。
でも”片思い”は今日で終わりにしたい。
「好き・・・、なんだ、ずっとそばにいたい。」
”友達”を超えたいんだ。
顔が上げられない私を、敦子がぎゅっと抱きしめた。
「嬉しい、私だってずっとたかみなが好きだったんだよ。」
見上げた顔には、大好きなくしゃっとした笑顔。
まるで世界が2人だけになったように・・・。
夢見た笑顔が夏に煌めいた。
end