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□大好きな君〜准健〜
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「へっ?」



振り向くと、悲しそうな顔の健くんがそこにいた。

相変わらず近いけど……。




「だって、俺から逃げてんじゃん!」


「いや、逃げてるわけじゃ……」




ないことはない。




「でも、目も合わせてくんないし!」


「いや、それは……」



あまりにも可愛すぎてだろ?




「だから、嫌いなのかなって……」


泣きそうな健くんを見て、俺は覚悟を決める。






「……嫌いなわけないよ」




そんなわけないじゃん。

むしろ……。





「好きな方……」





愛らしくて。

可愛いくて。

甘えるような瞳。

上目遣いの瞳。

泣きそうな顔も全て。


俺は好き……。




しっかりと健くんを見つめると、健くんが笑顔になる。



ほら、その笑顔だって……。




「俺も岡田が大好きっ!」




健くんが両手を広げて抱きついてきたから……。

俺はそのままギュッと抱きしめてあげる。





可愛いって、武器になるな……。



「井ノ原くんと浮気しないでよ?」



胸の中で小さく呟く健くんに笑みがこぼれる。




「しないよ。安心して」


「よかったぁ……」




俺は不安を拭い去るように健くんを再び抱きしめた――。




―END―









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