文章(シリーズ長編)
□1.
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自分の目が、信じられなかった。
「え」
何度も疑う…眼を擦る
でも
センパイは
ついさっきまで、俺の隣で笑っていたあの人は
地面に這いつくばり
動かない。
赤黒い水溜まりはどんどん広がって
センパイの白くて滑らかな肌は
どんどん風化してく
それを満足そうに見つめる殺人犯(あれ)
それらを見つめる好奇の目、恐怖の目…興味津々、ケータイを向ける…
話のネタにする…
ヒソヒソとざわめき
そして呆然とする俺、モデルの黄瀬涼太…
遠くから微かに聞こえるサイレン
あまりに歪んだこの空間
俺は
「あははははははははははははッ!!」
ブッ壊れて
一先ず
気絶することにした。