文章(ハイキュー!!)

□頼む…
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俺には好きな人がいる。

ソイツにも笑顔でズケズケ物事を言っては、また笑って軽く流す俺。



本当は笑える状況じゃないのにな。

辛いなあ…

誰にも言えないこの気持ち。
ありきたりすぎるけど、この関係を壊したくないのは本当で。

では、気持ちも状況もありきたりなのかと言えば、そういうことでもなく。

相手も男だからその時点でありきたりじゃないのに。

気持ちはどんどんエスカレートしていくんだ。

アイツを見るだけで、どんどん切なく、苦しく…なっていくんだ。


あわよくば、なんて都合のいいこと。

どれだけ考えたんだろう。

ああ、考えても終わらずに、
どんどん深みにはまっていく。

勉強して、進学クラスに入っていたって、こんなに苦しいことの終わりが見えないなら、意味は…

ああ、ダメだね。

こんなにグチャグチャドロドログルグル醜く考えている俺は、
今日もひたすら笑顔を浮かべて、

大地、お前のことをずっと狙っているよ。

お前とキス出来たら、どんなにいいだろう。

大地がまだ誰とも付き合ったことのないのは知っている。

それなのに、いや、それゆえ、お前が凄くモテるのも知っている。

大地はまだ純粋なんだ。

大地が純粋を捨てる相手が俺ならば、俺は喜んで何でも受け入れる。

でもさ、純粋なお前を受け入れる俺は、

もう汚れてるんだよ。

ごめんな。
お前への想いはエスカレートして、お前とヤりたいとか思っていってさ。

で、俺ってポジションとしては下でさ。男を受け入れる、下。

初めて受け入れたのは…
残念ながら…お前じゃなくて

及川だったんだよな。

及川だって本命はいる。
岩泉という立派な本命が。

同族嫌悪とかよく言うけど、そんなもの、俺らには無くて。

同じ。本当にそっくりなこと考えていた。

及川に抱かれながら、何度、お前のことを考えたんだろう。

でもお前は知らないよね。そんなこと。知らぬが仏でさ。

本当にとんだ都合主義で汚くなった俺に、優しい顔で優しい言葉をかけてくれて。

苦しいよ。大地。好きだよ。

本当に自己主義な俺。
嫌われたってしょうがない。当然さ。

もしも、全てバレたとして、でもその時せめて、1つ、聞いてほしいな。

偽りでもボランティアでもいい。

頼むから…





大地、キスして。





大地のキスで俺は…全てを終わらせるよ。




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