novel
□君を幸せにできるからさ
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僕は知っていた。
シンタロー君がセトを好きなこと。
やたらと目で追いかけたり話しかけられて赤面していたり。
誰かも気づいてるんじゃ、くらいのわかりやすさ。
でも、セトにはマリーがいる。
団員も公認のカップルで。
シンタロー君がセトとマリーのいちゃいちゃぐあいを見て、いい気持ちにはそりゃあなるわけ無い。
僕だって、好きな人とその恋人がイチャついてるといい気持ちにはならない。
まぁ、そりゃあそうだけど。
この前シンタロー君が泣いているのを見た。
セトとマリーが原因だろうけどね。
シンタロー君はなんでセトを想い続けるのかな。
幸せになれる道を進んだらいいのに。
僕なら、君を愛し続けるのにさ。
「ねぇ、シンタロー君。」
セトなんかじゃなくて、僕にしなよ。
僕なら君を幸せにできるからさ。