novel
□この恋は叶わなかった
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二ヶ月前にフラレるのを覚悟してセトに告白した。
そりゃああいつイケメンだし、彼女がいるだろう。マリー…とか。
でも付き合えた。その時は嬉しくて本人の前でぼろぼろ泣いた。セトは優しく抱きしめてくれた。
それからデート行ったりセトからプレゼントもらったり。充実してたのに。
今携帯につけているオソロイのストラップも全部。楽しかったし、嬉しかった。
なのに、なんでマリーなんかと。
セトは俺が昨日まで体調悪いって言ってたからなのか今日はアジトに来ないと思ってたらしい。
……そんな単純なわけが。
それで107の扉をあけて入った。
その時まで、ずっと信じてた
俺だけが特別ーー…
なんてこともマリーとキスなんてするから。
そんな気は無くなった
それから怒鳴りつけてストラップ千切って投げた。
だって、あんなもの、必要ない。
アジトを出て行ったのについてくる気配がない。
やっぱ、俺だけが浮かれてた。
完璧両思いと思ってたのに。
自意識過剰か。はっ。
でも、やっぱり涙は止まらなくて。
あのエネも心配してた。
俺の、俺の思い込みで。
こんな想い、なんか。
俺が好きになった人は離れてく。
毎回これ。
アヤノ、それからセト。
やっぱ俺は独りなんだ。
誰もいない部屋で、一人泣く。