novel

□透明エレジー
2ページ/4ページ


あいつーーー…


セトは俺のせいで死んでしまった。

俺を憎んでるだろうなぁ





セトに似た人を見つけると声を掛けたくなる、が。
「居る訳がない」だから
言葉を飲み込む。息を止める。




俺は一人なんだ。



暮れた夜を混ぜては
喉の奥に落としていく。











昨日のように感じるんだ。あの出来事が。
でも、忘れたいんだ。

忘れてしまったら明日のことも思い出せなくて。



…あれ、明日のことって何。






確かにあの日

「痛い」って声もセトに届いてたはずなんだ。

「君が嫌い」その言葉、一番聞きたくないんだ。嫌い。
だから、聞かない。キコエナイ。








そう。もうお別れしてしまったんだ。

君に送った言葉も。

届かない。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ