ハリポタ

□はじまり
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その日は、雨だった







「……」

どこかに魔力を感じた

膨大で未知の力
自分と同等もしくはそれをも凌駕する、自分とは異質の力を


雨に打たれながら、その魔力を辿って行った







気付くとソコは、忌々しい汚れたマグル共の住む町の一角

見上げると荊の絡む巨大な十字架、神聖な筈のそれが血色の花弁を揺らす姿は、ひどく魅惑的で背徳的だ



ふ、と
気配がして、視線を足元に下ろすと
自分と似た、荊の色の瞳が真っ直ぐに見つめ返していた





「…」



教会の門前、藤蔓の籠に入れられた
白と緋の赤ん坊


「貴様か、俺様を呼んだのは」


巨大で特異な魔力を持った赤子は
唯、薔薇と同じ色の瞳を反らすことなく
唯、闇の帝王の蛇の目を見つめ続けていた

大きな紅い瞳で、キラキラと










――10年後


「お父さん、お手紙届いたの」

「ホグワーツか…」

「うん、蛇さんとライオンさんと…狸さんとハトさんの判子が捺してあるよ

穴熊と烏だ馬鹿者

「お父さん、僕行ってきて良い?」

「…」

「お父さんのためなら僕頑張ってくるの、お勉強して強くなってダンブルドアを見張ってくるの」

「…」

「それに、僕だって青春してたくさん友達で遊びたいの!あとおっきい蛇さん見たい」

「お前それが本音だろう」
うん!

「お前は本心隠す気ないのか」







…そんな感じで
闇の帝王の子供になった女の子は
元気で強くてファザコンでアホな子に育ち
学校に遊び…否、お仕事しに行く事になりましたとさ。








(お父さんになった闇の帝王様は)
(苦労と胃痛と親馬鹿が)
(止まりませんでしたとさ)


*****
プロローグ的な
 

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