マジックハーフとドラゴン退治?
□少年と現実
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塔の中で、少年はずっと本を読んでいた。
本の中には、たくさんの悪者が描かれていた。
その中でも、化け物は、どの怪物よりも、得体のしれない恐ろしいものだった。
そして、外に出た少年は色んなものを見た。
外の世界は面白いものでいっぱいだった。
ドラゴンを倒す旅だということを忘れるくらい楽しかった。
けれど、全てが終われば少年は塔に帰らなくてはいけない。
塔の中で、ただ一人自分を理解してくれた人を悲しませないためにも。
だからだろうか、少年にとってこの旅は、ひどく現実味のないものだった。