魔法使い
□嘘つきな男の子の話
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とある小さな町に、一人の男の子が住んでいました。
その子はとても弱虫で、いつも小さなウソをついていました。
「口先だけで身のない男は
雑草だらけの庭のよう」
はじかれものの、いじめられっ子。
そんな彼はある日出会いました。
「雑草が一面に生い茂ると
庭は雪に埋もれたよう」
自分だけの秘密基地。
町はずれの空き家の中に、その人はいました。
「雪が本当に振りだすと
壁に止まった小鳥のよう」
彼がこっそり家から持ってきた宝物たちを勝手に物色しながら、楽しそうに歌を歌っています。
「小鳥が空に飛び立つと
颯爽としたワシのよう」
そうして、入口で自分を見ている男の子に気が付くとその人はにっこり笑いました。
「だれ?」
男の子が訪ねると、その人はこう答えます。
「魔法使いさ」