Roman court1(短編小説1)

□あなたのものに
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さっきから隣に座るニノが、
すっげぇ楽しそうにしている。

表情とか口調とかは
いつもとは変わんないけど、
ちょっとした仕草や眼差しが
いつもより柔らかで、
何より雰囲気が乙女チックだ。


さっきのVSの収録からだ。


確かに今日は勝った。
そりゃ勝てばニノも喜ぶ。
けど、もともと勝負事を
めんどくさがるニノは
勝ったからといってそこまで喜ばない。


何か特別なことをしたんだろうか。


いつものように楽屋のソファで、
ニノと身をくっつけながら
1人悶々としてると。


「おじさん。何、眉間に皺寄せてるんですか?」


と、収録後、楽屋に戻ってきて
いつもどおり赤いおじさんを
操っていたニノが
顔を覗き込みながら聞いてきた。


「ん〜?考え事」


そう答えると


「おじさんでも考え事ってするんですね!」


といつもどおりの返事。

相変わらず、
憎たらしい返事の仕方だな(笑)

でも、やっぱり、
ニノの機嫌がいいように感じる。
なんか、すっげぇ可愛い。
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