短編

□かぜひき
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風邪とはなんだったのか。平常時より高杉は絶倫になっていた。おかしいだろ。
つきあわされるこっちの身にもなってくれ。

次の日には人を看病する時のテンプレート的展開、俺は見事に風邪がうつった。風邪菌移してきた馬鹿は見事に風邪が治るというクソみたいな結果。

「大丈夫か銀時」
「大丈夫なわけねェだろ誰のせいだと思ってるんだボケカス」

白々しく心配する高杉の顔面に蹴りを食らわせたかったがそんな気力は残っていない。俺はぐったりと布団で伸びている。咳と頭痛と倦怠感の三重苦が辛い。

「銀時、俺が看病してやるから機嫌直せ」
「お詫びの甘いもんも寄越せ」
「はいはい」

タオルを絞る水の音に混じって

「昨日はあんがとよ」

というぶっきらぼうな言葉が聞こえて俺は溜息をついた。

-end-
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