短編

□140字SS 11-20
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「吹き飛ばす」※

首筋を舐めると銀時の肌が粟立つ。半分惰性で半分繋ぎとめる為の行為。
愛なんざそこにはない。
あるのは情欲。
「好きだよ高杉」
盛り上げる為だからといって俺を期待させるな。
てめーの心には別の誰かがいるなんざお見通しだ。
それを知っていても関係を続ける俺の未練を紫煙に乗せて吹き飛ばしたかった。



「いちころ」


私には晋助様が白夜叉に惚れた意味がわからなかった。
行動、言動、精神年齢に至るまで中学生並。
晋助様に惚れられたならまともな人間になれと殴り込みしようと思ったら晋助様と接してるときの白夜叉の純粋な屈託無い笑顔を見かけてしまい完全敗北した。
あんな笑顔を見たら誰だってイチコロじゃないスか。



「幕府の狗」1.

銀時が最近幕府の狗と懇意だとヅラから聞いた。
浮気たァ許さねェ、と思っていたらあろうことか銀時は真選組の副長と会話しだした。
てめー元攘夷志士だろどういう了見だ。
とはいえ、会話は聞こえないが銀時はいつもと変わらぬだるそうな表情だった。
俺の杞憂だったのか。
まあ銀時は俺にベタ惚れだしな。



2.

しかし。狗の方は杞憂だと片付けられなかった。
あの野郎の顔、腹立つことに恋する男の顔そのもんじゃねえか。
人の恋人に手出したら殺してやる。
いや、どうせ敵だし手を出される前に殺してやろうか、と思案していたところで肩を叩かれた。
「さっきからお前が尾行してんのバレバレ」
銀時に気づかれた。



3.

「あの男はなんだ」「色々難癖つけてくるやな奴」といった銀時の顔に微妙な変化が生まれた。
俺だからこそ分かる表情の変化。
なにか後ろめたいことを隠している。
「嫉妬してんの?俺は晋ちゃん一筋だから大丈夫」
銀時は指を絡めてきた。
この銀時は嘘をついている。
土方十四郎か、いずれ始末しなければ。
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