短編
□たのしいたのしい女装プレイ
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「世の中はな、金さえありゃなんでもできるってこった」
横にいる男のドヤ顔が憎たらしい。
ボンボンはいいでちゅね〜〜!
こちとら金がぜんっぜんなくて日々の生活さえ苦しいってのにそんなすぐ簡単に大金ばら撒きやがってさっすがボンボン様。
わりと給料がいいバイトなのに邪魔しやがってクソが。貧乏人なめんな。
「しょうがねェ野郎だな」
高杉はそういうと俺に札束を握らせた。ひいふうみい…えっなにこれまだあんの。
「高杉くん愛してる!!!」
俺は高杉にべったりとくっついた。持つべきものはやっぱりお金持ちのイケメンな恋人ですよね〜ボンボンとかクソとかなんていってごめんねやっぱ高杉くん愛してる。
神楽喜べ!今日の夕飯久々にすき焼きが食えるぞ。ぱっつぁんも呼んで3人ですき焼きパーティーと洒落込むか。俺はウキウキ気分で万事屋への帰路につくが高杉に引き戻されてしまった。
「逃げるな。これは店外デートだろ?」
「え」
「金払ったのはこっちだぜ?客の要望に応えられねェたァてめーそれでもホステスか?」
高杉は無表情だがこめかみに青筋がくっきり走っていた。やべーこの高杉怒ってやがる。
「ゆるして」
「ゆるさねェ。金の工面なら俺に言えばどうにかしてやらァ。それだってのにあんな所でこんなかっこして別の男といちゃこきやがって」
高杉くんのヒモになっていいってことなのかなそれは。俺のおちゃらけた問いかけは無視されて手頃なホテルに俺は引っ張られていく。
「あのー晋ちゃんどういうことかなあ…」
「ヤるぞ」
「いやあの」
否が応でも部屋に入った途端俺はベッドに押し倒された。勿論女装したまま。
「女装プレイなんざ新鮮だな」
「せ、せめてヤるにしても着替えとか化粧ぐらい落とす余裕は」
「駄目だ」
高杉に裾を捲られると太腿が外気に触れる。そうして腿を撫でられた。くすぐってーよこの変態。
そうして高杉は顔をうずめたかと思うと、腿に舌を這わせやがった。ゾクゾクとしたこそばゆさが襲う。
「女装してるくせに毛の処理が甘い」
「うるせーよ」
「見えないからって手を抜くな」
「何様だお前は」
肌が綺麗なのはいいが太腿の肉がプルプルしている、ダイエットしろだのそれでも足のラインは合格点だのなんだの。
高杉は頼んでもない俺の足の査定をしはじめてイライラする。
「お前客にセクハラされまくりだっただろ。なにしろこんなエロい足してるからな」
一部否定はしない。
ホステスへのお触り厳禁と言われていたとしても足を撫でたりふとした隙にケツを触ったりしてくる不届き者がいる。まあそういう客は西郷に半殺しにされるので安心だが。
さっき俺を指名した客も色々怪しかったな。
女装したおっさんの太腿やらケツを触って何が楽しいんだか。
「そうかい。さっき殺しときゃよかったな」
目が本気だ。こえーよこいつ。命拾いしたなあの客。
「ま、女装しているてめーは可愛いからセクハラするやつの気持ちもわからんでもねェ」
理解に苦しむ。
「銀時は可愛い」
さすがに可愛い連呼されると気持ちわりーよ。
「だがな。いくらてめーが可愛いからといって許されねェもんはあると思うがな。別の野郎といちゃつくとかいちゃつくとかいちゃつくとか」
何回も言わなくていいから許して。
高杉は俺が抗う隙を与えずいっきに俺のいちご柄のトランクスを脱がせた。