短編

□140字SS 1-10
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「大人の定義」※

大人の定義がどういうものかなど俺にははっきりと分からねェが、お前がいい歳した子供だということは分かる。
我儘で一人で突っ走って厨二病患者でチビだし。
身長は余計でしたね悪かった。
まあそんなお前だからこそほっとけないし、かっこいいときは決まってるしやっぱ俺お前のことが好きなんだなって。




「採用通知」

「銀時が女装で別の男といちゃつくたァなァ」
「わ、わたしはパー子よ銀時って誰かしら」
ぜってー殺される。
金をパチですったから困ってんの許して。
「それならパー子とやら店外デートしようぜ」
「と、当店でそういうサービスは」
「じゃあ今すぐ辞めろ」
「だから金に困…」
「俺んちで採用だ永久にな」




「違います」


「銀時のことがほんと好きなのですね」
先生、違います。顔見るだけで腹立つくらい嫌いです。
「でも、よく勉強教えてあげてるじゃないですか」
勉強出来ねー奴は見てて恥ずかしいから俺がわざわざ教えてやってるだけです。
「ほっとけないってやつですか」
違います。
「やっぱり好きなのですね」
違います!




「誰も欲しくない」※

どこですれ違ってしまったのだろうと悔いても嘆いても時計の針は戻らない。
自分が護る背中も護られる背中もとっくの昔に壊してしまった。
あれだけ狂おしいほど求めていたあいつの背中が遠くへ遠くへと遠ざかってしまうのだ。
こんな思いをするのなら最初から誰も欲しくないと言い切れば良かった。




「誘い上手」
保健医高杉×銀八

「教師の癖にサボっていいのか」
保健室の来訪者はとても教師に見えない雰囲気の男だった。
「サボりじゃなくて、会いに来た」
惚けた笑みの腐れ天パは恥じらいもせず俺に口づける。
「生徒が寝てるんだが」
「バレなきゃいい」
人を誘うことに関しては長けているんだよな。
お前のお望み通り襲ってやる。
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