短編

□たのしいたのしい女装プレイ
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「た、高杉…」

顔面蒼白、震える指差す手。
何故お前がこんなところにいる。

「銀時、仮にも俺は客だぜ?なんだその態度は」
「ぎ、銀時って誰かしら失礼するわねわたしはパー子よ」

高杉のあまりの威圧に隣にいる客がそろそろと逃げだしてしまった。逆に俺は鋭い眼光に射すくめられていて逃げられない。店内が薄暗いのも相まって高杉の目がギラリと光っているように見える。

「パー子ねえ…」

次の瞬間高杉の手が俺のヅラに伸びてきて、俺は大急ぎで払いのける。
ヅラといえばあいつが絶対高杉にチクったに違いない。あんだけ口止めをしといたはずなのに。あとで覚えていやがれ。

「そんな格好で他の男といちゃつくのは楽しいか?銀時」

男に媚びを売らなければオカマの世界ではやっていけない。俺だって好きでやっているわけではないがそんなこと言っても高杉には通じない。
なおかつ嫉妬深い高杉のことだ。

「パー子だかペー子だか知らねェがどんな言い訳でも聞いてやるからこっちへこい」

嗚呼、殺される。
必死の抵抗をするも高杉に襟首を掴まれ店の外へと引きずられる。おいどこに連れて行く気だ。

「これから店外デートだ」
「ちょっとお客さん当店ではホステスとの店外デートなんてサービスには入ってないわよ?」

低く野太い声が高杉を立ちふさがった。ナイスタイミング。

高杉とは比べ物にならない威圧感。
さっすが白褌の西郷と2つ名で呼ばれた人間もとい化け物である。その図体なら高杉みたいなチビなんか一発で葬りさることなんか容易だろ。早く鉄拳制裁でもなんでもすればいい。助けてくれ。

懇願を込めた眼差しを西郷に送る。西郷は分かってるわよ、とこちらに向かって気色悪いウインクが返ってきた。頼もしい。

「だからお客さん…さっさとパー子から離…」
「じゃあそうだな。これでどうだ」

高杉が懐の茶封筒を西郷に投げつけた。茶封筒を受け取ると西郷はにんまりとした笑みを浮かべる。ちらりと分厚い札束が封筒から覗く。

「こ、こいつ…」

見上げると意地の悪い笑みを浮かべた高杉がいた。
この場に俺の味方はどこにもいないらしい。

「あら!パー子!こんなイケメンで金持ちなお兄さんとデートなんてやるじゃない!楽しんできなさいよ!」
「オイイイイイイ!!!!金で態度変えるんじゃねェよ!!!!!!助けてくれよォォォ!!!!」

店外デートはサービスに入ってないっていってたじゃねーかどういうことだよオイ。
俺の叫びも虚しく高杉は俺を店外へ引きずり出していった。
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