彩雲国物語 李の花嫁 part2

□43話
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宮の中は仲障が行きつけたらしき灯りが
ぽつぽつと灯る以外 深い闇に埋もれていた




その時 天をもつくような絶叫が下から
聞こえてきた

思わず足を止めた麗蘭とは反対に
春姫はまろぶように階を駆け下った

「......この声は、克洵さん?」

むっとするような甘い匂い

けれどそれに混じって鼻をつく嫌な匂い

そして煌々と灯りに照らされた地下の
有様を見たとき 麗蘭はぞっとした

こみ上げてきた吐き気を必死でこらえる



枯木のような誰かの死体と
まさに血の海としか表現できない一面

その血だまりのなかに跪いて
絶望に覆い尽くされた顔をしていたのは....





春姫「克洵様!」
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