彩雲国物語 李の花嫁 part2

□45話
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静蘭が目的の離れにたどり着いた時、

朔洵は外の騒ぎなどまるで聞こえもしないよ
うに優雅に二胡を弾いていた

静蘭はとりあえず一曲弾き終わるまで
黙って聞いていた

最後の余韻がこぼれ落ち 霧消した



静蘭「相愛恋か。まあ悪くない腕だ」

朔洵「芸事に秀でた元公子様にお褒めの言葉を
頂けるとは思わなかったよ。...ご用件は?」

静蘭「これを、飲んでもらおうと思ってね」

朔洵「クスクス....そんなことをしなくても
手っ取り早く殺してしまえばいいのに」

静蘭「是非そうしたいが、
裁きを受けさせる必要がある

だがどんな堅牢な牢に放り込んだとしても
お前に思考能力を残しておくのは危険すぎる」

朔洵「裁き....ね」

静蘭「茶一族の罪状と証拠が明らかになり
正式に州府の手が入った以上、茶家一族
直系男子というだけで捕縛の理由は充分だ」

朔洵「あまり趣味は良くないな。
生きたまま木偶人形にしようなんてね
第一、どうやってそれを飲ませるんだい?」

静蘭「殴って気絶させて口こじあけて無理矢理
流し込もうかとも思ったが」

朔洵「それでは、随分と時間がかかりそうだね」

静蘭「それにお前とは、少々話をしてみたい
とも思っていた」

朔洵「ふぅん?」

静蘭「ちょっとした遊戯をしよう
お互いの欲しいものを賭けて」
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